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神楽小路の池

文学と神楽坂

「ここは牛込、神楽坂」第13号「路地・横丁に愛称をつけてしまった」(平成10年夏号(1998年)で、林功幸氏(今はない「巴有吾有」オーナー)は

 昔は、いまのギンレイホールの隣のビルのあるあたりは湿地帯で、きれいな湧水の池があった。

と簡単に書いています。
 平成18年(2006年)『神楽坂まちの手帖』12号「津久戸小学校(昭和31年度、佐藤学級)ミニ同窓会」では

平松 神楽小路に池がありましたよね。
土屋 ありましたね。池の左側が細長い崖みたいになってて。
上田 あの辺り、二、三年生の頃は原っぱでね。
平松 それで真ん中に池があって、よくそこでザリガニ釣ったのを覚えてますよ。
上田 釣りはやりましたね。
平松 あれは、どのくらい広い池でした?
上田 子供の頃は随分大きいような気がしたけどね。あれは佐久間さんのお屋敷(注)にあった池じやないかな。湧き水かなにかで、小川みたいにギンレイホールの方まで流れて行ってて。
平松 飯田壕まで流れてたんですか?
土屋 外堀通りには流れてなかったですね。あそこはもう車が通ってたから。
上田 どうだったかな。五、六年生の頃はもう、神楽小路になってて、トリスバーとか小柳ダンス教室とかあって。
平松 ありましたね、小柳ダンス教室。
上田 俺、大学生の頃にちょっと通ってた(笑)。

注。軽子坂を上がった左手。現在中央ビルになっている所にあったお屋敷

 同じく同書同号の「神楽坂三〇年代地図」には

神楽坂30年代地図

神楽坂30年代地図

 たしかに池はありそうです。では、年代ごとに見ていきましょう。

 最初は、江戸時代です。嘉永5年(1852年)の「当時の形」では桃色の線が将来の「神楽小路」です。でも「神楽小路」はなく、あっても垣根ぐらいでしょう。池もなく、「佐久間さんのお屋敷」には「塩谷大四郎」が住んでいました。

1852年の当時之形

1852年の当時之形。新宿区教育委員会『地図で見る新宿区の移り変わり』昭和57年から

 次は昭和12年「火災保険特殊地図」です。昭和初期で、戦前です。将来の「佐久間さんのお屋敷」を見ると、普通の家が並んでいます。この時も、池はありそうではありません。

昭和12年「火災保険特殊地図」

昭和12年「火災保険特殊地図」

 次は昭和27年の「火災保険特殊地図」です。これは戦後で、2丁目の18番地と17番地には何も建っていません。原っぱなのでしょう。これは上の対談者たちが小学校2年生になっていた時期です。この場所で、おそらく低くなった真ん中に、池があったのでしょう。「神楽小路」の名称もこの時期からつくようになりました。

 昭和38年(1963年)の住宅地図になると「佐久間さんのお屋敷」がでてきます。上の対談者たちは19歳になり、当然ながら、池はなくなっています。

 最後に1990年の住宅地図です。まだ「佐久間さんのお屋敷」は残っていますが、その後、2000年以前に中央ビルになりました。

1990住宅地図

1990住宅地図

神楽坂|アグネスホテル

文学と神楽坂

 アグネスホテルアンドアパートメンツ東京は3方向から入れます。
アグネスの地図

 その1は前の理科大学と研究社の間からはいるもの。

 その2は後ろから入るもので、小栗横丁から入ります。その3は前の西側から入るもので、若宮八幡神社からはいりますが、一般的には使いません。

 外堀通りを使って理科大学から入ると簡単ですが、ほかの2方向は少し難しい。
アグネスホテルの外観

 場所はこれでも神楽坂2丁目です。若松町ではありません。また、ホテルの社長、千賀(senga)氏の名前を後ろから並べてアグネスagnesになりました。

 玄関も、中に入っても、瀟洒で粋です。全体で56室。

 ダブルは36室、ツイン8室、スーペリア6室、スイート5室、ロイヤルスイート1室。スモールラグジュアリーホテルです。ビジネスホテルではありません。

 ノルマンディーのパティスリーで修業した上霜考二がスイーツを監修。大河原正裕総料理がレストラン。玄関からはいるとこうなっています。正面はフランス料理の「ラ・コリンヌ」で有名です。

アグネスホテルの玄関アグネスの団扇

 エステサロンもはいっています。夏なので、うちわも無料で持って帰ることもOK。

 本当にいいのは料理がうまくて美味しいこと。2階の「ラ・コリンヌ」だけしか使わないけど。★のあるレストランと比べても、価格ははるかに安く(昼は税サービス別で3000円から、味は美味。

 ホテルをやると決めたと聞いて、どうしてやれるの?と思ったのが最初。神楽坂にディズニーや空港はないのに、絶対にうまくいかないと思っていました。2000年に竣工。長く滞在する人で満員だとうわさと、実は料理がうまいらしいといううわさが広まっていきます。最初に食べてみると、おおおいしい。以来、毎年食べています。(最近、2016年にシェフが変わりました。微妙に味も変わりました。)

 部屋は綺麗ですが、眺めはうーん。ランチコンサートを月一回水曜に無料でやっています。

 4人がけのテーブルが外に1つだけあります。残念ながら神楽坂の石畳ではありません。ほんとうは神楽坂の石畳がよかったのに。

石畳ではないベンチ

「和可奈」にとってはライバルが出てきたのです。このホテルで作家の缶詰もおこるのでは? ただし、現在の大きな出版社には地下に歴とした缶詰があるといいます、

 オンライン用の素晴らしく鮮やかな写真集が出ています。たとえば下の図です。

アグネスホテルの写真集

 これは https://twitter.com/agneshoteltokyo/media/grid ででてきます。

 さて、新聞紙によれば

嵐の二宮和也(23)が主演するフジテレビ系連続ドラマ「拝啓、父上様」(来年[07年]1月11日スタート、毎週木曜午後10時)の制作発表が[06年12月]12日、東京・神楽坂のアグネスホテルで開かれ、二宮、高島礼子(42)、黒木メイサ(18)、福田沙紀(16)ら主要キャスト9人と、脚本の倉本聰氏(71)が出席した。

 また『拝啓、父上様』では最後の第11話でアグネスホテルが出てきます。

坂道
  竜次について、一平上る。
 り「竜次さんにつれて行かれたのは、若宮神社の脇にある小さいけど洒落た評判のホテルで」
アグネスホテル
  中に入る。
同・バー
  地下にあるラウンジへ下りてくる2人。

 地下ではなく、1階(見方によれば2階)のロビーで話をしています。初めて会った小説家・津山は一平の父ではないと打ち明けます。
アグネスホテルと「拝啓、父上様」

庾嶺坂 新坂 小栗横丁 熱海湯 若宮八幡神社 お蔵坂 神楽坂2丁目 若宮公園
神楽坂の通りと坂