JCHO 東京新宿メディカルセンター」タグアーカイブ

箪笥町(写真)明治神宮遷宮祭、昭和33年 ID 5367

文学と神楽坂

 新宿歴史博物館「データベース 写真で見る新宿」ID 5367は昭和33年(1958)、明治神宮遷宮祭記念新宿区商業観光まつり自動車パレードを撮影したものです。場所は箪笥町です。

新宿歴史博物館「データベース 写真で見る新宿」ID 5367 明治神宮遷宮祭記念新宿区商業観光まつり自動車パレード(北町現大久保通り)

 これはID 6338やID 6340と同一の明治神宮遷宮祭のパレードでしょうか。ID 5367は雨で路面が濡れている点が大きく違います。
「データベース 写真で見る新宿」は、同じ「明治神宮遷宮祭記念新宿区商業観光まつり」の写真を複数、公開しています。その中には「少女鼓笛隊」が晴天でパレードしているものもあります。(ID 70667069) 一方、花自動車パレードは写っていません。
 ウィキペディアによれば「10月31日夜、遷座の儀が行われ~14日まで都内各所で奉祝行事が行われた」とあり、このパレードはID 6338などと別の日だったかも知れません。
 遠くに東京厚生年金病院(現在はJCHO 東京新宿メディカルセンター)が見えます。屋上の丸い建物は展望室です。
 2〜3メートル先に、急に道路は下向きの坂になります。これは弁天坂です。
 パレードは神楽坂(現在は神楽坂上)交差点から大久保通りを通り、北町方向に向っています。ここでの先頭自動車はオープンカーでしたが、雨のため屋根をつけています。次の自動車は雨に降られても大丈夫、大きなアヒルの着ぐるみをきています。
 電柱は木製もコンクリート製もありそうで、左側は右側と比べて一般的には背は高く、柱上変圧器があります。横断幕は「安全速度」。路面電車の軌道があり、架線も多くなっています。右の建物などは……

  1. 看板「ベニヤ板・木曽檜・秋田杉・一般材・梚立請負/株式会社 大崎材木店販売所」
  2. トラック「株式会社 大崎材木店」
  3. 電柱広告「牛込犬猫病院」
  4. 看板「葬祭◯◯具一式御用達 ◯◯商店」「葬儀と花(輪)」

 昭和39年の住宅地図があります。大崎材木店はその時でも営業中です。現在は3階建ての「大崎ビル」になり、1階は「メゾンカイザー」です。
 葬祭店(地図の「大川」)は大川商店で、その後「神楽坂斎場」になりましたが2020年ごろ解体されました。

1964年 住宅地図

Google地図 現在(2023年4月)


旧東京厚生年金病院(写真)昭和44年頃 ID 14154

文学と神楽坂

 新宿歴史博物館「データベース 写真で見る新宿」ID 14154は、筑土八幡神社の石造鳥居の陰から津久戸町の旧東京厚生年金病院(現在はJCHO 東京新宿メディカルセンター)を撮った写真です。撮影時期は「昭和44年頃か」と不正確です。

新宿歴史博物館「データベース 写真で見る新宿」ID 14154 遠方に津久戸町旧東京厚生年金病院

 鳥居は石段の参道の途中にあり、区内最古として新宿区登録有形文化財に指定されています。

住宅地図。1973年

 鳥居の額束に(見えないが)「筑土八幡神社」が刻印されていて、柱の銘にはコントラストを変えると奉納者は「享保十一丙午歳十一月十五日 従四位下行(豊)前守◯治真人」 と読めます。写真は古い鳥居と現代的な病院建築の対比を狙ったのかも知れません。鳥居のすぐ向こうの金網は、区が昭和41年9月16日に開設した「こどもの遊び場」(ID 7451)を囲むものです。
 東京厚生年金病院の旧本館は、武道館や京都タワーを手がけた建築家の山田守氏の代表作のひとつで、昭和28年(1953年)の芸術選奨で文部大臣賞を受賞しました。
「Y字型のみるからに明るいモダンな病院」(石田竜次郎・和歌森太郎共書「県別・写真・観光日本案内 東京都」修道社、昭和36年)と評されました。屋上の丸い建物は展望室で、その下はらせんのスロープになっています。

東京厚生年金病院 建替説明図。東京厚生年金病院からJCHO東京新宿メディカルセンターに

http://onlyjustfadeaway.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-f165.html

 沿革を見ると

時期内容病床数
昭和27年10月病院開設
昭和27年11月整形外科 外科 内科 診療開始66床
昭和28年10月南棟4階58床増設124床
昭和28年10月西棟3、4、5階改造319床
昭和32年9月別館増築290床増床普通510床 伝染6床
昭和33年4月高等看護学院開院
昭和40年10月別館神経科病棟16床増床。伝染6床廃止526床

建替説明図。東京厚生年金病院からJCHO東京新宿メディカルセンターに 赤字の説明は引用元にはない
http://onlyjustfadeaway.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-f165.html

 その後、この旧館はY字の一辺ごとに解体・建て直しする難工事によって建て替えられました。沿革に基づけば13年間を要しました。

時期内容病棟
昭和62年6月南棟解体
平成元年10月A棟竣工(本館)地下4階地上8階
平成2年3月西棟解体
平成5年10月
B棟竣工(本館)地下4階地上8階
平成10年1月東棟解体
平成12年3月外来棟竣工地下4階地上1階

 新本館も設計は山田守建築事務所で、屋上に丸い展望室があります。