平成10年(1998年)夏号の『ここは牛込、神楽坂』「路地・横丁に愛称をつけてしまった」でこう話しています。
阿久津 それから若宮八幡を前に見て、小栗横丁の、「熱海湯」の前に下りるまでの小路。
林 あそこは今度、ビジネスホテルが建つとかで。
坂崎 あの坂の細い道は残るのかしら。
林 残るでしょう。残さないと人が通れない。もともと蔵のようなものがあったところなんですよ。
坂崎 じゃあ『お蔵坂』と。マンションが建つと日陰で暗くなるかもしれないけど。暗い細道というのもいいものなんです。
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なお、このビジネスホテルというのは2000年竣工のアグネスホテルです。小栗横丁の右が「熱海湯」だと言っています。一方、左は何もない坂道なのですが、ここをお蔵坂と呼びました。
2007年のテレビ「拝啓、父上様」の最初のシーンから「お蔵坂」がでてきます。
テレビの『拝啓、父上様』で「お蔵坂」は最初の数分間でもう何度もでてきます。
神楽坂通り
朝まだき。
しんと静まり返っている。
語「東京、神楽坂。坂だらけの町
この町の夜明け前が、俺は好きだ」
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テレビではお蔵坂を下から見た絵もでます。
お蔵坂を上空から見た絵もでてきます。走っているのは主人公、一平で、多分、寮から飛び出し、駐車場に行き、築地市場に先輩たちと行くのです。
それから数シーン後に出てくるのは
石段に
陽光が漸くさしこむ。
夢子が子猫に餌をやっている。
他の猫たちも集まってくる。
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小栗横丁からお蔵坂の上に向かって歩くとアグネスホテルになります。そこでは「拝啓、父上様」の倉本聰が原稿書きで長期に泊まったとか。なぜこのまわりが愛着と好意を集めるのか、わかります。
ほんとは主人公の一平とは違うけど一平荘