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『神楽坂がまるごとわかる本』…著者は渡辺功一氏

文学と神楽坂

『神楽坂がまるごとわかる本』(けやき舎)は2007年の優れた一冊です。第一章から第五章に分かれています。あえていうと第一章は、商店会、花柳界、老舗。第二章は男優、女優、麻雀、映画。第三章は、江戸。第四章は、江戸その2。第五章は現代に至る。

 ある出来事が起こったのは01年、それとも02年、本当にこっちなのと思っても、ああ、これはこっちとばさっと切られると、まあ、そうかなあとなってしまいます。たくさんの事柄がいっぱいにつまっていて、すこしユーモアや面白みはない。歴史書だと考えると文献の扱いが不十分。でも、全体的にはすごーくよくできた本です。

 内容は……

一章 神楽坂通り商店会の変遷、神楽坂の縁日、江戸っ子芸者の歴史、神楽坂の花柳界、神楽坂まつり・阿波踊り、老舗伝説、紅谷菓子店、老舗伝説 田原屋最古の老舗 相馬屋紀の善と牡丹屋敷
二章 神楽坂の寄席演芸場、喜劇王 柳家金語楼、女優 松井須磨子女優 水谷八重子叙情画家 竹久夢二、麻雀伝説 カフェ・プランタン、映画伝説 黒澤明と神楽坂
三章 神楽坂地名の由来、牛込の地名、江戸城外濠 牛込壕、牛込御門、毘沙門天 善國寺、定火消本多家と本多横丁、岡田寒泉と寒泉精舎、行元寺寺内公園筑土八幡神社
四章 光照寺と藁店の由来、由比正雪と袋町・榎町 旗本水野屋敷伝説 牛込の総鎮守 赤城神社、日本出版クラブと天文台、江戸里神楽の由来、だらだら長者の埋蔵金伝説
五章 甲府鉄道 牛込駅、江戸川の夜桜と江戸小紋 東京理科大学の歩み、桜の校章 津久戸小学校、神楽坂警察署宮城道雄記念館、田中角栄と神楽坂、飯田壕埋め立てと駅ビル再開発