現在路地の右手に小さな稲荷神社があります。場所はここ。
これが伏見火防稲荷神社です。
神社人(日本を楽しむ神社ファン・コミュニティサイト)によると総本社は伏見稲荷大社(京都府京都市伏見区)。ご祭神は、宇迦之御魂神。生産の神/五穀豊穣の神。商売繁盛、五穀豊穣などを祈願。参拝形式は、二拝二拍一拝。 つまり火の手から守ることです。
もう少し近くに行ってみましょう。
こうすると東京神楽坂組合(芸者の組合)や料亭松ケ枝などの名前が出ています。
実際に芸者さんが稽古に行ったりお座敷を行き帰りにお参りをしていくこともあるようです。
赤井儀平氏の『神楽坂界隈の変遷』「古老談話・あれこれ」(新宿区立図書館、1970年)では……
今の検番のところにお稲荷さんがあるでしょう、あれは古いんです。昔出羽様のお邸の中にあったんですから。今でいうと木村屋さんの前の小跡を入った右側のところ、昔の永楽銀行の裏にあたるところです。火防のお稲荷さんなんてすが、それをある待合のおかみさんが家を普請する時、邪魔だって訳でもないんでしょうかとに角邪魔にならないところに持っていったりなんかしたんですね、そうしたらその家にろくなことがなかったんだそうです。おかみさんはすっかりおじけ付いて、きっとお稲荷様のたたりだろうっていうんで又、もとのところへまつりかえたんだそうです。そうしたら商売も順調に行く様になったそうです。こういう土地柄ですからとかくかつぐ人が多いようですね。とにかく因縁つきのお社です。 |
木村屋 現在は上島珈琲店