赤城神社(写真)昭和26-30年 ID 6869、6890

文学と神楽坂

 新宿歴史博物館「データベース 写真で見る新宿」ID 6869とID 6870は、1945-55年(昭和20-30年)に、赤城神社で七五三のお祝いを撮ったものです。
 赤城神社は昭和20年4月13日、戦災で全てなくなりましたが、本殿は昭和26年に再建。拝殿などの再建は昭和34年なので、この撮影は拝殿の再建前の出来事でした。赤城神社の七五三は他にもID 388があり、こちらは昭和28年11月に撮影しています。この写真2枚(ID 6869とID 6870)も同じく昭和28年11月に撮影した可能性があります。

(1)ID 6869 七五三詣り

新宿歴史博物館「データベース 写真で見る新宿」ID 6869 赤城神社(七五三)

 正面で神職が向き合っているのが再建した本殿です。本殿にはすだれ(和風カーテン)、おそなえ、三宝さんぽう(お供えを盛る台)と高坏たかつき金襴きんらんの布などが並び、回廊にはぼうしゅの飾りがあります。神職の左右はさかきの枝です。
 その前に神主が座り、さらに手前に七五三詣りの家族たちが並んで座っています。これは仮設の拝殿であり、木造がわかる安普請であり、天井からは裸電球が下がっています。柱の前には賽銭箱が置かれ、通常はここで参拝するのでしょう。この仮拝殿はID 388でも確認できます。右の手前には母親の手を握る子供もいて、早く見たいといっているようです。
 高札こうさつ様の看板(屋根付きの看板)では「復興瓦奉納受付/御奇篤の方は復興計画中の拝殿の/瓦を御寄進願います/御氏名記入の上葺上げます/1枚金五拾圓」、下には「富◯冩眞舘で/神楽坂五ノ三二」。左の立て看板は「七五三お祝いの方は/とう料を添へて/受付之お申出で/下さい」。「ふきげ」は 屋根を仕上げることです。

(2)ID 6869 露店

新宿歴史博物館「データベース 写真で見る新宿」ID 6870赤城神社(七五三)

 石敷の参道の左右に露店が連なっています。参道の奥の仮設拝殿の屋根の下に参拝者が並んでいます。参道の左右に狛犬。右の台座は「改代かいたい町」と読むのは、ID 389と同じです。
 右の狛犬の背には鉄製の天水桶てんすいおけが見えます。また、左の狛犬のやや左上に石碑がありそうで、茂みから頭をのぞかせています。昭忠碑と同時期にあった少し低い石碑かもしれません。
 写真の右端に小さな鳥居があり、参道が分かれています。その先には出世稲荷神社があります。
 露店では香具師やしがさまざまなものを売っています。右手前の黒い服の人は風船、その次の白い服の人はおそらく菓子、その次は千歳飴の屋台です。さら奥に見える壺は甘酒売りでしょうか。左手前は刀や人形などのおもちゃを並べ、奥にも露店が続きます。風船の影はまるで「日の丸」のようです。
 参道には親子連れなどが行き交い、振袖と髪飾りをつけた女の子もいます。
 左奥は木造の簡素な民家が並びます。その前の枯れたような木は「巨大なやけぼっくいになった大銀杏」でしょうか。さらに左に行けば赤城下町へ下る北参道の階段があるはずですが、この写真には写っていません。

住宅地図。1965年

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