「製菓実験」昭和13年4月号に「亀十」が出ています。肴町21番地(現在は神楽坂5丁目21)のパン屋さんです。現在は「おかしのまちおか」に変わりました。
老廃 年をとったり、古くなったりして役に立たなくなること。
まごつく どうしていいかわからず、迷う。まごまごする。
如く 活用語の連体形、体言、助詞「の」「が」に付いて、比喩や例示を表す。…のように。…のとおり。「彼の言うごとく市場はまもなく安定した」「脱兎のごとく逃げ帰った」「10年前のことが今さらのごとく思い出される」
デテイル ディテール。detail。全体の中の細かい部分。細部。
これを「かぐらむら」2009年12月号の「今月の特集第2部 戦前編 記憶の中の神楽坂」ではこう描いています。
肴町21番地。現在、ファミリーマートが在る場所(神楽坂6-77)で、大正末から平成の初めまでパンと菓子の店だった。この建物は調和に欠ける面があるものの、大工さんが凝りに凝ってデザインしたものだ。こうした存在感のある建物は、一般のお客さんに人気があるのだという。 |
うまい。悪い点でも満点のように伝わるのは素晴らしい。なお、ここは(神楽坂6-77)ではなく、神楽坂5丁目21です。ここは神楽坂の坂道を通り過ぎ、大久保通りも通り過ぎると、神楽坂通りの北側は6丁目、でも、南側は5丁目なのです。
戦前の記事とはいえ、『製菓実験』は酷評に過ぎるなぁ。
お茶屋さんは海苔を商い、時計屋は眼鏡や宝飾品をショーウインドウに並べる。
パン屋がケーキや和菓子を売って何が悪い。そんな店が全国どこにでもあって、カステラにあんこを挟んだ「シベリア」を作っていた時代なのに。
亀十は名店ではなくとも、地域に愛された店でした。商品は奥の小さな工場で焼いていました。確か大塚に支店がありました。
忙しい町の人にとって手軽なサンドイッチや安い菓子は有り難い存在で、現在のコンビニのような役割を果たしていたと思います。
5丁目なので「神楽坂通り商店会」の会員で、6丁目の「商栄会」ではなかったのも印象的でした。
すみません。改心して、パチパチはやめます。