内田春菊氏の『レイル・ロード・ムービーズ』(講談社、2009年)の一節です。
氏は漫画家、小説家。慶應義塾大学通信教育課程に入学・退学。その後、印刷会社の写植、ホステス、ウェイトレスを経て、1984年、エッチ漫画『シーラカンス・ブレイン』でデビュー。1993年の自伝小説『ファザーファッカー』と1995年の『キオミ』は直木賞候補。生年は1959年8月7日。
神楽坂であの子は 不思議な音楽を奏でる 彼女の死を知らされたのは、つい昨日のことです。 翌日僕は、神楽坂に行く用事がありました。この用事の後に、彼女の家へ行こうと思っていました。 |
おそらく主人公が神楽坂に来た駅は、JRや東京メトロの飯田橋駅ではなく、地下鉄の神楽坂駅(東京メトロ東西線)か牛込神楽坂駅(東京都交通局大江戸線)でした。その後、毘沙門天にはいったのです。
スイカ もちろん、JR東日本のカード。「Suica定期券」「My Suica」「Suicaカード」の3種類があります。
肉まん 五十番が売っている肉まんでしょう。昔は図2の所にありました。現在は本多横丁を渡ってすぐの場所にあります。
あの時彼女の言ったこと、彼女のいつかの表情、こんなものが好きだった、そんな断片が、僕の中に浮かんでは消えます。 素敵な和菓子屋で、手土産を買いました。浮き雲という名のメレンゲのお菓子と、さくらさくらという名の、桜の形のお菓子です。 手土産を持って、もう向かうだけだというのに、ある店のショウウインドウをぼんやり眺めていました。 ブリキのおもちゃが沢山並んでいます。木琴を叩いている女の子が彼女に似ていると思いました。 でも、今は何を見てもそう思うのかもしれません。 彼女の家は、線路沿いの道を歩いてすぐです。何度か見た風景です。だけどそれも違って見えます。 まだ死んだ彼女の顔も以てないのに、こんなで大丈夫なのだろうか? 彼女の顔を見たら僕は壊れてしまうのではないだろうか? 怖くなってきました。心臓が口から飛び出そうです。 |
それから和菓子を買い、ブリキのおもちゃなどを売っている太陽堂を見て、外堀通りにでる。
でも、和菓子の店はどこなの? 順序よく行ける和菓子屋はありません。梅花亭か五十鈴なのですが、私は「梅花亭ポルタ神楽坂」に一票をいれます。なお、梅花堂の本店は神楽坂6丁目15番地(上図)にあります。
図2。神楽坂下(五十鈴、毘沙門、五十番、太陽堂、梅花堂ポルタ神楽坂)
和菓子屋 東京都新宿区神楽坂6-15か神楽坂2-6の「神楽坂 梅花亭」か神楽坂5-34の「五十鈴」でしょう。
浮き雲 梅花亭の食べ物。「白」と「抹茶」の2種類があり、「白はフワフワの焼メレンゲに小倉餡入り。抹茶は白あんベースに抹茶を加えた抹茶餡に丹波大納言小豆を散らして」あるもの。
メレンゲ 卵白と砂糖を混ぜて泡立てたもの。
さくらさくら 現在は梅花亭も五十鈴も「さくらさくら」という名前の和菓子はありません。
ある店 神楽坂2丁目の太陽堂でしょう。本来は陶器店、現在はレトロなおもちゃが沢山。
線路沿いの道 外堀通りでしょう。正式には東京都市計画道路環状第2号線。