今度は「東京を歌へる」(牛込編)③俳句です。
牛 込 神 樂 坂 築土八幡、津久戸明神 穴 八 幡 若 松 町 早 稻 田 |
[現代語訳] |
耕石 不明。中西耕石だとすると幕末・明治の南画家。
葉柳 はやなぎ。緑の色を増した夏の柳のこと。
一陣 風や雨がひとしきり激しく吹いたり降ったりする
賦 ふ。詩や歌。詩歌を作る。みつぎもの。租税。年貢。わりあて。与える。さずける。天からさずかる。うまれつき。漢文の文体の一つ。
爪先上り つまさきあがり。少しずつ登りになっていること。
鶯里 梅阪鶯里だとすると大正・昭和時代の写真家。
築土八幡 筑土八幡神社。新宿区筑土八幡町にある神社
津久戸明神 元和2年(1616年)、筑土八幡神社の隣接地(新宿区筑土八幡町)へ移転、「築土明神」と呼ばれ、1945年、東京大空襲で全焼。1954年、九段中坂の途中にある世継稲荷境内地へ移転。
茂り 草木がたくさん育って、葉や枝が集まっている
濃し 密度が高い
地借り 家屋を建築するため土地を借りること。
柱 助数詞。神仏、高貴な人、遺骨などを数えるのに用いる。「二柱の神」
穴八幡 穴八幡宮。新宿区西早稲田二丁目の市街地に鎮座している神社
只中 ただなか。まんなか。真っ最中。
永機 えいき。永機。幕末・明治前半の俳人
若松町 新宿区のほぼ中央部の町名。
老松町 かつて小石川区(現、文京区)高田老松町があった。現在は目白台一~三丁目に編入。
風蕩之 不明
鳴子 穀物を野鳥の食害から守るため、鳥を追い払う目的で使われてきた道具。
今年米 ことしごめ。今年の秋とれたばかりの米。新米。ことしまい
三允 さんいん。中野三允。明治・昭和期の俳人