文学と神楽坂
新宿歴史博物館の「データベース 写真で見る新宿」でID 12125、ID 12126,ID 12127を見ましょう。レンズは外堀通りと神楽坂の坂上に向いています。街灯は鈴蘭の花をかたどった鈴蘭灯があり、車道は平坦でデコボコはありません。信号機はゼブラ柄の背面板があります。
新宿歴史博物館「データベース 写真で見る新宿」ID 12125 神楽坂下
新宿歴史博物館「データベース 写真で見る新宿」ID 12126 神楽坂下
新宿歴史博物館「データベース 写真で見る新宿」ID 12127 神楽坂下
牛込橋から神楽坂下までの車道にセンターラインがあり、この部分が逆転式一方通行になるのはずっと後ですが、早い段階でセンターラインは描かれなくなっていたと地元の方。
牛込橋の桜の木はよく見ると若葉がついているようです。
写真の右上で、メトロ映画(上の看板は「yヽロ映画」)では東映作品「鳴門秘帖」(公開日は昭和36年1月26日)、松竹作品「はったり青年紳士」(公開日は昭和36年3月15日)をやっていました。下に行き「さくら」は「さくらや靴店」です。森本不動産は小栗横丁に行く横丁にありました。
右中央に「赤井商店」が見えますが、その前のID 12126に女性が描かれた看板が見えます。よく見ると『ナポリ』らしき字があり、ソフィア・ローレン出演の映画『ナポリ湾』(日本公開は昭和35年12月)を佳作座でやっていたのではないか、と地元の人。佳作座は2番館なので、昭和36年に出もいいと思います。
撮影は牛込橋周辺で、新宿歴史博物館の発表では昭和37年になっています。でも、同じ撮影でID 52とID 53では昭和36年4月になっています。よく見ましょう。「yヽロ映画」はどちらも同じ壊れ方。映画作品もまったく同じで、外堀通りから牛込橋に渡る立て看板や、通り沿いにみえる造花の飾りも同じです。造花はカラー写真だとサクラを模したピンクだと確認できます。ID 12125~12127は、ID 52~53の左端の駐車車両は見えませんが、ほぼ同時期に撮影したと推定できます。
では昭和37年と昭和36年、どちらでしょうか? 昭和37年2月以前に撮ったID 55と56を比べてみましょう。「メトロ映画」はさらに「 ヽ凵映画」とぼろぼろで、鈴蘭灯ではなく大型の蛍光灯になっています。ID 52~53とID 12125~27はID 55と56よりは昔なのです。つまり、昭和36年に撮影したのです。
では色を含めて書いておきます。
「神楽坂三十年代地図」(『神楽坂まちの手帖』第12号、2006年)を参照
神楽坂1~2丁目(昭和36年) |
- 中河電気 「旅館 野乃木」
- 天下の銘酒 富士錦 三富酒 。壁にネオン「三富」
- 交通標識
- 外堀通り
- 赤色ネオン「パチンコ」「(ニュ)ーパリー」。部分的に赤と黒の壁
- 田原屋
- 貸衣裳 清水衣裳店
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- ポスター「森本不動産」「産婦人科 加藤」
- 外堀通り
- 赤井商店 ポスター「ナポリ(湾)」 さくらや靴店
- 印章 ゴム印 (津田印店)
- 美容室(ニューマヤ)
- ヤマザキパン(神楽堂)
- 神楽小路に行く(見えない)
- コ〇ン〇ン (山一薬品)
- メトロ映画「鳴門秘帖」「はったり青年紳士」
- キャバレー (ムーンライト)
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